誰かに話を聴いてもらうだけで、自分が変わった経験はありませんか?
堀口 康之
理事長
10年以上のキャリア相談経験から、人は「答え」だけでなく「理解者」を求めていると筆者は説きます。安心して話を聴いてもらえる体験は、個人の活力を取り戻すだけでなく、離職防止や組織課題の発見にも繋がります。個人の声に寄り添い、選ばれ続ける会社を目指すためのウェルビーイングの重要性を解説します。

第3回
「人は話を聴いてもらえるだけで、気持ちや考え方が大きく変わることがあります」
私はこれまで、多くの方のキャリア相談を行ってきました。
もう、かれこれ10年以上実践してきたので、おそらく2,000人は下らないと思います。
そこで何度も感じたことがあります。
それは、人は「答え」を求めているだけではなく、「自分を理解してくれる人」を求めているとい
うことです。
仕事の悩み。
家庭のこと。
将来への不安。
人間関係。
一見、会社とは関係がないように見える話でも、それは仕事への意欲や職場での行動に大きな影響
を与えています。
私も、長いビジネスマン生活の中で、私の話に耳を傾けてくれた上司が2人いました。
今でも会いたいなあ、と思うのがその2人の上司です。
誰にも話せなかったことを安心して話せたとき、人は自分自身を整理し、新しい一歩を踏み出す力
を取り戻します。
そして、その対話の中には、会社がまだ気づいていない課題や、離職につながる小さなサインが数多く隠れています。
私は、その「声」を組織の未来につなげるためには、人と組織を繋げる橋が必要だと考えています。
それが、私たちが取り組んでいるウェルビーイング・ブリッジ・サービス(WBS)の原点です。
社員一人ひとりに寄り添い、その声を会社の成長へとつなげる。
これからの時代は、「採用競争」に飛び込むのではなく、「選ばれ続ける会社」をつくる時代なのではないでしょうか。
この記事を書いた人
堀口 康之
理事長
関連する記事

「本音は、アンケートでは見えてきません」
満足度調査などの数値データだけでは、社員が抱える悩みや不満といった「本音」を把握することは困難です。深刻な人手不足時代を生き抜くためには、数字の背景にある一人ひとりのストーリーに寄り添い、共感する仕組みを整えることが、真の組織づくりには不可欠です。

退職届が出されたら、慰留はなかなか困難ですよね
退職の意思は突然生まれるものではなく、小さな違和感の積み重ねにより「辞めるしかない」と決断した結果です。退職届が出る頃には心は既に離れており、慰留は困難を極めます。会社が注視すべきは、辞める瞬間ではなくその前に出されている小さなサインに気づき、早期に対処することの重要性です。

社員が辞める本当の理由、把握していますか?
社員が辞める理由は給与や休日だけではなく、成長や自己実現といった個々の価値観に深く関わっています。画一的な制度で引き留めるのではなく、一人ひとりの思いを「理解すること」が信頼関係の基盤となります。離職防止に不可欠な、社員の本音に向き合う姿勢について考察します。